9.「口臭が気になるのですがすが…?」
「先生、自分では気づかなかったのですが、娘に『お父さんの口が臭い』と言われるんです」
口臭のように鼻に近い所で発生しているにおいは、自分で感じることが難しいのです。この患者さんの場合は、身内の指摘を受けたからまだ良かったものの、親しかつた人が遠ざかったのは口臭が原因だったという事もあるかもしれません。
厚生省が行った保健福祉動向調査によると、口臭は虫歯、歯周病に次いで高い関心事になっています。
口臭には生理的なもの、病的なもの、飲食物やし好品によるもの、口臭を発していると思い込む神経性の自臭症などがあります。口臭は歯科、耳鼻科、内科的な疾患によって起こりますが、重い内臓や鼻の疾患、悪性腫瘍(しゅよう)などを除くと、原因の多くは口の中にあるといわれています。
口の中には多くの細菌が存在します。ある細菌は食べかす、血液成分、粘膜の上皮などのたんぱく成分を分解、腐敗させ、揮発性硫化物などの臭い物質をつくります。炎症があると、においはさらにひどくなります。
従って口の中を不潔にし、歯垢(しこう)や進行した歯周炎を放置したり、舌たいと呼ばれる舌のあかなどすべて口臭の源になるのです。また、耳鼻科的疾患のため、口だけでしか呼吸ができないと、口の中が乾燥したり、極度の緊張やストレス、薬の副作用などでだ液の減少や流れが悪くなり、口臭はさらに増します。
治療法としては、まず原因を特定することです。口の中が原因の場合、治療を受けるのは当然ですが、とにかくブラッシングして歯垢を取り除き、口の中を清潔に保つことです。ただ、だれでも細菌は持っており、無臭にすることはできません。
口臭を、はなから否定せず、うまく付き合うことを考えるべきです。人と会う前にブラッシングしたり、口の中を洗うことも一つの方法です。口臭は第三者の客観的なチェックが大切ですので、かかりつけの歯科医院で診てもうことをお勧めします。
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